論文とは何か

論文は特定の問題についての自分の主張を述べる場です。
問題提起(Question)→議論(Discussion)→結論(Answer)のステップをふみます。
重要なのはQ&AのAに向かっていく過程でさまざまな証拠を提示することです。
そのなかで、新しい事実がわかったり、新しい解釈が出て来たりします。

別府大学の内山和也先生が論文と通常の作文やレポート(報告文)との違いを詳細に述べておられるので、参考にしています。こちらもぜひのぞいてください。

文学作品を対象に 1.感想文と2.報告文と3.論文の違いを整理してみましょう。
1.感想文では作品を読んで自分の主観的な思いを書きます。
自分の体験に照らし合わせたりしながら、自分が感じたこと、思ったことを書きます。
2.報告文では対象が何を述べているかを客観的に記述します。要約が主になります。
独自性は必要ありません。
3. 論文では作品に対する独自の解釈を客観的に証拠とともに提示します。
自分の読みの妥当性を不特定多数の読者を相手に証明します。
そのためには論理性と実証性が不可欠です。

上記の違いに伴って、論文と感想文では書き方が異なってきます。
論文で大切なことは論理性と実証性ですから、次のようなことが必要になります。

・根拠を明示する。
・自分の考えと他人の考えを明確に区別する。
・参考/引用文献を明示する。
・適切な記述方法に留意する。
○  〜と考えられる。 〜と思われる。 〜は重要である。 〜は適切でない。
×  〜と思う。 〜と感じる。

主観や曖昧さを避け、客観的、簡潔かつ正確な文章表現を意識してください。